みずぼうそう(水痘)
水痘・帯状疱疹ウイルスの感染によって起こる発疹性の感染症で、「みずぼうそう」の名で知られています。特徴は全身に及ぶ水ぶくれ状の発疹(水疱)と発熱です。感染力は非常に強く、空気感染します。
症状と経過
発熱とともに発疹が出始めます。発疹は直径3~5mmほどの赤いブツブツ(丘疹)として始まり、水ぶくれ(水疱)になり、カサブタ(痂皮)に変化します。ブツブツは頭皮・顔・体・腕や脚と全身に広がります。そのため、急性期には丘疹、水疱、痂皮が混在する独特の皮膚所見となります。すべての発疹が痂皮化するまで約6日間かかり、その間は感染力があります。
合併症としては、発疹を掻き壊した部位に細菌が感染するとびひ(伝染性膿痂疹)や、まれに肺炎、脳炎を起こすことがあります。また、新生児や免疫力が低下している人がかかると重症化する恐れがあります。
(実際の皮疹の様子を知りたい方はこちら)
潜伏期間
10~21日(平均2週間前後)です。
治療法
程度が強い場合は抗ウイルス薬と対症療法を組み合わせた治療を行います。ただし、ワクチンを接種している場合には感染しても症状は軽く済むことが多いため、特別な治療は行わないことがほとんどです。
再受診の目安
ブツブツが赤く腫れあがってしまうとき。
ぐったりしてしまうとき。
入浴
温まりすぎるとブツブツが痒くなるので軽く済ませる方がよいでしょう。ブツブツの箇所は強く擦らないようにしましょう。
運動
可能です。
食事
口周りにぶつぶつができて痛むことがあり、その際にはあまり噛まなくても良いものを選びましょう。
予防法
水痘ワクチンによる予防接種が非常に有効です。2回のワクチン接種で約90%以上の発症予防効果が得られ、仮に発症しても、症状が軽く済みます。
また、仮に接種していなかった方が水ぼうそうの人と接触してしまった場合、72時間以内にワクチンを接種すると発病を防げる可能性があります。
日常の感染予防策としては、水疱瘡は空気感染するため、マスクや換気、手洗いが有効です。
登園・登校の目安
ぶつぶつがすべてカサブタになるまでは登園・登校は禁止です。