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新生児(生後0か月)の発達

ご出産おめでとうございます。そして、毎日の育児、本当におつかれさまです。

「新生児期」は生まれてからおよそ4週間までの時期を指します。
守られた胎内の環境から外の世界へ少しずつ適応していく大切な時期です。
呼吸・体温調節・哺乳・睡眠・排泄など、どれもまだ未熟でからだの働きは安定しません。
感染に弱く脱水などにも注意が必要です。
小さな変化に戸惑うことも多い時期ですが、赤ちゃんは周囲に支えられながら一歩ずつ育っていきます。

赤ちゃんとの新しい生活が始まり、うれしさとともにわからないことや心配なことも多いかと思います。
このページでは、新生児(生後0か月)の赤ちゃんの特徴をまとめました。
日々のお世話やご心配ごとの確認にお役立てください。

成長発達と日常的なケア


体重

生まれてから数日間は5~8%くらい体重が減り、その後から1日あたり20-50g程度増加するようになります。
もっと増えることもあります。

呼吸

新生児の呼吸は大人より速く、1分間に40〜60回ほどです。
退院して間もなくは、寝ているときにゆっくり呼吸と早めの呼吸が交互に出ることがありますが、成長するにつれてなくなっていきます。

視力

視力0.01-0.02くらい。かなり近づいてようやく輪郭が見える程度です。

聴力

生まれたときに聴力検査をすることが多いです(AABR)。
おとなの会話くらいの大きさの音は聞こえており、聞き分けもできるといわれています。

おしゃべり

泣くことで空腹や不快感を伝えます。
たまに母音の練習の声が出ることも。

動き

手足をばたつかせたりしますが、目的をもった動きはまだできません。
(そのため、タオルや毛布で口や鼻がふさがっても自分で取り除くことができません)
びくっとする反射(モロー反射)、手のひらを触るとぎゅっと握る反射(把握反射)など、赤ちゃんならではの反射が見られます。
お父さんが近くでクシャミすると赤ちゃんがビクッとして両手が動きますよね?あれがモロー反射です。

授乳

8-10回程度が平均。生後から哺乳量はだんだんと増えていき、それに伴い哺乳回数はすこしずつ減っていきます。
多少少なくても体重が増えていれば大丈夫です。

おしっこ

まだ膀胱が小さくて尿を貯められないのでとても回数が多いです。1日に10-20回くらいします。個人差がかなりあるので多少少なくても問題ありません。
※オムツ内のおしっこがピンク色に見える現象があることもあります(おむつがピンク色…血尿…!?—尿酸塩を参照)

うんち

色:黄色〜茶色が正常です。たまに緑色のこともありますがそれも問題ありません。
白っぽい便が出る場合は母子手帳のうんちカードをまず参照してください。1-3番の色に近いときは小児科の受診が必要です。
赤い便(血液の付着)も受診が必要です。
回数:母乳栄養の場合は便は軟らかく1日3−4回、ミルク栄養の場合は1日2回くらいです。

入浴

(全乳児期共通)
退院後すぐから大人と一緒に入浴しても問題ありませんが、熱すぎないように赤ちゃんには37〜38℃が適温です。
慣れないうちはベビーバスを使っても良いでしょう。
「耳に水が入らないように」は昔よく言われたものですが、耳に水が入っても全く問題ありません。

スキンケア

(全乳児期共通)
基本は「清潔」と「保湿」です。ゴシゴシせず、泡状の石鹸を用いて素手でやさしく洗いましょう。シワの部分は汚れが溜まりやすいので入念に。
入浴後は積極的に保湿剤を用いて保湿しましょう。保湿剤は処方薬でも市販のものでも構いませんが、「ヘパリン類似物質」や「セラミド」が入っているものを選びましょう。
積極的な皮膚ケアで、食物アレルギーのリスクを減らすことができるといわれています。赤ちゃんの時期は大げさに保湿するくらいが良いでしょう。
ぶつぶつができたときも早めに受診しましょう。

睡眠

1日16〜20時間が目安です。昼夜のリズムはまだはっきりしません。
新生児は寝ている時間が長いので、「安全な寝床づくり」がとても大切。
寝具は硬めで平坦、寝床はすっきり(ぬいぐるみ等を置かない)が良いです。うつ伏せ寝は禁。やわらかい寝具は窒息のリスクがあるので避けましょう

衣類・室温

室温は20℃を下回らないよう調整し、大人より1枚多く着せることを基本とします。
汗やほてりの具合を見て調整します。
暑すぎる状態(29℃以上)は乳幼児突然死症候群のリスクを高めるため注意します。

この時期の予防接種・健診

・2週間健診(実施していない産院もあります)

・接種する予防接種はこの時期はありません(特別な場合を除く)。

 

症状と受診の目安

発熱

新生児では、38.0℃以上の発熱があれば、すぐに受診した方が良いです!
ただ、衣服を着せすぎて熱がこもって体温が38℃を超えることもしばしばあります。衣服を脱がせてから再度測っても38℃以上ならば、元気であっても受診しましょう!休日や夜中であってもです!
37℃台でも、飲みが悪い、眠ってばかりで起こしにくい、顔色が悪い、ぐったりする、呼吸が速いなどを伴うときは、早めにご相談ください。

嘔吐

何度も繰り返す、飲むたびに吐く、緑色の嘔吐、元気がない、哺乳力が落ちるときが受診の目安です。新生児では、食べ物の通り道の病気や感染症など、早めの診察が必要な原因が隠れていることがあります。迷う場合は、様子見を続けずご相談ください。
ただし、もともと赤ちゃんは口~胃にかけてが未熟なので、少量の嘔吐は元気な赤ちゃんでもしばしばみられます。上記症状を伴っていなければ様子を見ていて良いでしょう。

せき

苦しそうならばすぐ受診!元気ならば様子を見ていて良いですが、長引くならば受診も考慮しましょう。
「苦しそう」の判断は、正確には難しいですが、呼吸が速い、胸がへこむ、息を止める、唇が紫っぽい、ミルクが飲めない、苦しそうで眠れないなどが判断の基準になります。

鼻水

哺乳量が落ちる、眠れない、息が苦しそう、顔色が悪い場合は受診しましょう症状が鼻水だけで、元気であれば様子をみても大丈夫です。

便が出ない

排便時に辛そうにしていたり、哺乳量が減っている場合は受診しましょう。
便の回数は哺乳内容や体質による個人差が大きく、回数が少なくても辛そうでなければ様子を見ていて構いません。

下痢

水のような便が数日以上続く、血が混じる、嘔吐を伴う、飲めない、ぐったりする、おしっこが少ないときが受診の目安です。

ぶつぶつ

急に増える、水ぶくれになる、膿む、赤く腫れるぶつぶつのときは受診をおすすめします。

そのほか

以下のような状態も受診を考慮する症状です。
・飲みが悪い
・なんだか元気がない
・白っぽい便が出る
・泣き続ける

よくある質問

Q. 授乳間隔がバラバラなのは大丈夫ですか?
A. この時期は授乳リズムが一定になりにくく個人差があります。体重の増えが順調なら、間隔がまちまちでも大きな心配はいらないことがほとんどです。

Q. 母乳/ミルクが足りているか不安です。
A. 体重の増えが順調なら問題ないことがほとんどです。


Q. 体重が増えすぎていて母乳(ミルク)が多すぎないか不安です。

A. 飲み過ぎて悪いことは基本的にはありません。制限せず、欲しがる分は与えて構いません。
満腹サイン(視線をそらす、口を開けない、別の方を向く、など)が出ているときは
無理に与えなくてよいでしょう。

Q. ミルクはどれを選んだらよいかわかりません…
A. 通常のミルクであれば、どれを選んでも大差ありません。
便秘やアレルギーのなりにくさなどといったメーカーの謳い文句は科学的には証明されているわけではありません。
「赤ちゃんが飲んでくれる」「手に入りやすい」「家庭で続けやすい価格」を目安に選んでよいでしょう。
ミルクの使い分けも参照ください)


Q.
口の中に白いものがついています。

A. 自然に剥がれる場合はミルクかすの可能性が高いですが、剥がれない場合はカビ類の感染症の可能性があります。
自然に改善することもありますが、範囲が広い場合や痛がる場合は受診しましょう。
鵞口瘡(がこうそう)も参照ください)


Q. 目ヤニが多いです!寝起きは目が開かないくらい!

A. よくあります。程度が強い場合や目が赤くなる場合、生後半年を超えて続く場合は受診しましょう。
生まれたばかりの赤ちゃんは鼻涙管という眼から鼻への涙の経路が狭いので、なかなか鼻に涙が流れてくれません。そのため眼からあふれ出て目ヤニになります。
涙の経路が大きくなるにつれて自然に軽減することがほとんどではありますが、程度が強かったり眼が赤くなる場合には点眼薬が必要な場合があります。

 

Q.耳そうじはした方がよいですか?
A.基本的には不要です。
耳垢は耳の環境を整えることにも役立っている物質でもあり無理にとる必要はありません。
逆に耳の中の皮膚(外耳道)や鼓膜を傷つけてしまうことがあります。
基本はそっとしておく、明らかに耳の穴をふさいでいるときには耳鼻科でとってもらいましょう。
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 子どものみみ・はな・のどの病気も参照ください)

Q.
よく吐き戻します!

A. 赤ちゃんは飲んだ後やげっぷ時に吐いてしまうことはよくあり、機嫌がよければひとまず様子を見ていて構いません。
一方で、噴水のように吐く、体重の増えが悪い、便が出ずお腹が張って吐く場合は早めに受診しましょう。


Q. 飲んだ後にゼロゼロしてるのは大丈夫ですか?

A. 赤ちゃんは飲んだミルクが鼻の奥に残ってしまうことも多く、それが喉に垂れ込んでゼロゼロすることはよくあります。
元気で、体重がちゃんと増えていれば基本的には問題ありません。


Q. おへそが出ています。

A. 臍ヘルニアなどが考えられます。小児科を受診するか、健診の際に聞いてみましょう。
おへそがでています!でてきました!ー臍ヘルニアも参照ください)


Q.
おへそのじゅくじゅくは消毒すべきですか?

A. 消毒による有効性ははっきりしておらず、よく洗うこと自体で治療になります。膿が出る、周囲が赤いなどがあれば早めに受診しましょう。
おへそのじゅくじゅく―臍炎(さいえん)

 

Q.おちんちんの皮はむいた方が良いですか?
A.そっとしておくべきです。
巷ではむく体操が流行っているようですが、危険なのでおすすめしません。
おちんちんの皮は思春期に自然にむけてきますし、無理なやり方で緊急事態になることもあります。
(詳しくはおちんちんの皮ー包茎についてを参照ください)

Q. おむつのピンク色のしみは血尿?
A. ピンク~オレンジがかった赤色のしみは、新生児によくみられる自然な現象です(おむつがピンク色…血尿…!?—尿酸塩を参照)。
血の色か判断が難しい、元気がない、何日も続く場合は受診しましょう。


Q. おしりの割れ目の上にくぼみがあります。

A. 深いくぼみだったり、できものを伴っている場合は検査が必要になる場合があります
検査は生後3か月以内の方がしやすいので、上記の様子がある場合は早めに受診しましょう。


Q. うんちがなかなか出ません。

A. 赤ちゃんが辛そうでなければ、ひとまず様子を見ていて構いません。特に母乳栄養が主体の場合はつくられる便の量が少ないので、週に数回しか出ないこともしばしばあります。
痛そう・辛そう・大変そうであれば、おなかのマッサージや綿棒による肛門刺激を行って排便を促しましょう。
長く続く場合は受診をお勧めします。
べんぴも参照ください)


Q. 皮膚がカサカサしています。

A. 赤ちゃんは皮膚が薄く未熟なのですぐカサカサになります。皮膚トラブルを起こさないために保湿はとっても大事。
「ヘパリン類似物質」や「セラミド」が入っている保湿剤をたっぷり使用しましょう。
乾燥肌も参照ください)


Q.皮膚にブツブツができます。治療すべきですか?

A. 湿疹の場合は治療をおすすめします。
新生児期は、ホルモンの影響・皮膚の未熟さ・免疫の未熟さなどから、とてもブツブツができやすい時期です。
ブツブツ自体がかゆくて赤ちゃんのストレスになるほか、合併症などを起こすこともありますので、早めに受診し治療してしまいましょう。
また、この時期にできるだけブツブツを少なくしておくことが、食物アレルギーを減らすことにつながるといわれており、その面でも積極的な治療をおすすめします。
湿疹ページも参照ください)

 

Q.生まれたときからアザがあります。
A.アザにもいろいろな種類があります。頻度が多いのは、下記↓↓
 うなじの赤いあざ―ウンナ母斑
 目の上の赤み―サーモンパッチ
 おしりの青あざ―蒙古斑(もうこはん)
 乳児血管腫(いちご状血管腫)
20cmを超える、5個以上ある、顔面やお尻の割れ目のちょうど上にある、頭皮の脱毛を伴う場合などは受診が必要な所見です。

Q. 爪がペロンってなってます!
A. 赤ちゃんの爪はやわらかいので、容易に割れたりめくれたりします。
ペロンとなるのは赤ちゃんあるあるなので心配しなくても大丈夫。
ただ、爪の生え際付近が赤くなったり腫れたりしたら受診しましょう。

Q.哺乳瓶はどうやって洗うべきですか?
A.高温洗浄と加熱乾燥機能のある自動食洗器であれば、煮沸消毒や次亜塩素酸ナトリウムなどでの消毒は不要です。
上記の食洗器でない場合と手洗いの場合は、
洗浄と乾燥をしっかり行えていれば十分という意見もありますが(AAP ”How do I mix and serve infant formula for my baby?”)、
生後2~3か月までは煮沸や次亜塩素酸ナトリウムなどの消毒を推奨する提言が多いです(CDC “How to Clean, Sanitize, and Store Infant Feeding Items”,FDA “Handling Infant Formula Safely: What You Need to Know”など)。
特に早産の方や免疫の疾患を持っている子は慎重寄りの方が良いかもしれません。


Q.寝続けてしまう場合は起こした方がよいですか?

A.新生児の場合は、脳の未熟さにより適切に覚醒できないことがあります。4時間程度で起こして授乳させた方が良いでしょう。

 

Q.ケイツーシロップについて教えて!飲んだ方がいいの?
A.絶対に飲みましょう!
ケイツーシロップは、赤ちゃんの「出血予防」のためのお薬です。赤ちゃんが病気だから飲むのではなく、まだ未熟な時期に足りないものを補って、危ない出血を防ぐために使います。
ビタミンKは、血が出たときにきちんと固まって止まるために必要です。大人では普段あまり不足しませんが、生まれたばかりの赤ちゃんは不足しやすいです。
この不足が強いと頭の中の出血などの重い出血を起こすことがあるため、その予防がとても大切です。
ケイツーシロップの必要性は、「まれだけれど重い出血を防ぐ」ことにあります。シートベルトのように、万一の大きな事故を減らすために使う、というイメージに近いです。
小児科学会から「新生児・乳児ビタミン K 欠乏性出血症の予防法に関する Q&A」が出ています。
こぼしたり、飲ませた後に嘔吐した場合の対応など書かれています。


参考文献

〈こども家庭庁〉
・胆道閉鎖症早期発見のための便色カード活用マニュアル.
・乳幼児の食物アレルギーについて.

〈NHS〉
・Your baby’s weight and height.
・Breastfeeding: is my baby getting enough milk?
・Bottle feeding your baby.
・Your baby’s sleep patterns.
・Safe sleep advice for babies.
・How to dress a newborn.
・Getting to know your newborn.
・Thrush.
・Reflux in babies.
・How to sterilise equipment.

〈その他〉
・National Library of Medicine.Normal Newborn Vital Signs.
・MedlinePlus.Infant reflexes.
・MedlinePlus.Infant - newborn development.
・Centers for Disease Control and Prevention.Providing Care for Babies to Sleep Safely.
・Eunice Kennedy Shriver National Institute of Child Health and Human Development.Safe Sleep Environment for Baby.
・GOV.UK.Spina bifida: information for parents.
・AAP .  How do I mix and serve infant formula for my baby
・CDC .  How to Clean, Sanitize, and Store Infant Feeding Items
・FDA .  Handling Infant Formula Safely: What You Need to Know

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