風疹(ふうしん)
発疹・発熱・リンパ節の腫れを伴う感染症で、特効薬はなく症状に応じた治療が行われます。妊娠中の感染は胎児に影響する可能性があるため、予防接種がとても重要です。
概要
風疹(ふうしん、三日ばしか)は風疹ウイルスによる感染症で、発疹・リンパ節の腫れ・発熱が特徴です。発疹が3日ほどで消えることから「三日ばしか」とも呼ばれます。
症状と経過
典型的な症状は発疹、リンパ節腫脹、軽度の発熱の3つです。まず潜伏期を経て、微熱とともに全身に淡い紅色の発疹が現れます。発疹はやや淡い色調で、くっつき合わないのが特徴です。発疹と同時期に、耳の後ろや首の後ろ(後頸部)のリンパ節が腫れます。発熱は出ても38℃未満のことが多く、熱が出ないケースも珍しくありません。加えて、咳や鼻水などの軽いかぜ症状や、目の充血がみられることもあります。発疹出現から3日ほどで熱が下がり、発疹も消え始めます。一時的な関節炎症状がみられることもあります。
合併症はまれですが、血小板が減少して出血斑が出る特発性血小板減少性紫斑病や急性脳炎があります。
また、妊娠初期(20週頃まで)の妊婦が風疹にかかると、胎児が先天性風疹症候群(CRS)になる恐れがあります。CRSでは先天性心疾患、白内障、難聴などの障害が生じる可能性が高く、風疹は妊婦にとって非常に警戒すべき感染症です。
潜伏期間
潜伏期間は2~3週間(平均16~18日)。
治療法
風疹に対する特別な治療薬はなく、症状に応じた対症療法を行います。
再受診の目安
熱が5日以上続くとき
ぐったりしているとき
入浴
可能です。
運動
可能ですが、ぶつぶつが消えるまで外出してはいけません。
食事
特に制限はありません。
登園・登校の目安
解熱しぶつぶつがすべて消えるまでは出席停止です。
予防法
予防接種が最も効果的です。日本では麻疹・風疹混合(MR)ワクチンを2回定期接種(1歳と年長児)することで、風疹も同時に予防できます。